いやしかし、時の経つのは早いもんだなぁ。もう大野くんに会って1年か。
すっかり友達感覚になっているのは分かるけど、「くん」付けはマズイのでは? しかもそれって結局SD-WANを導入しないまま1年経過してしまったということだし・・・。重ね重ね大野「さん」、スミマセン・・・。
というわけで、今日は昨年も訪れたInteropを見学するため幕張メッセに。25回目を迎えた今年は「はじめよう。次のネット社会」をキャッチフレーズに、500社以上の企業が最新技術を紹介。昨年度の143,365人を超える来場者が予想されている。
そして社長は今回も、大野さんに最新の動向を聞きたいとSDI / NFVショーケース内のNTTPCコミュニケーションズブースに向かっていった。
で、この1年どうだったね? 何か大きな変化はあったかな?
だから失礼ですって。それにお仕事のジャマしちゃダメでしょ。
そうですね。ちょうどいま、新発表の「Master'sONE CloudWANセキュアパッケージ」のご案内をしてるんですよ。簡単に言うと、SD-WANをセキュアに進化させたサービスなんです。
さすがプロ。すぐにビジネスの世界に引き戻したぞ。
現在、多くの企業では、セキュリティを確保するため、こんな感じでエントリーVPNを使ってネットワーク構築しています。
これはなにやら複雑だな。大企業か?
何を言っているんですか。ちょうどウチがこんな感じですよ。この上にあるのが本社。右下が東北支社で、左下が四国支社です。
なるほど。四国支社がいつも通信が遅いだ重いだ言っているのは、下から登って来ていたからなのか。
・・・少し違う・・・が、まぁいいでしょう。
この構成で、クラウドサービスの利用増による輻輳や遅延を解消しようとする場合、簡単な解決策は各拠点に「フレッツ」回線を追加すること。片方を従来のネットワーク接続用に、もう片方をクラウドサービスを使うためのインターネット接続用とすることですね。
でもそれだと各拠点の回線が1回線から2回線になりますから、通信コストが倍になってしまいますよね。
そうですね。そこで「Master'sONE CloudWANセキュリティパッケージ」の登場です。閉域ネットワークで安全性を保ちながら、「フレッツ」1回線でSD-WANを構築します。Office365やWindows Updateを輻輳や遅延を解消できますし、各拠点にあるエッジ装置をコントロールパネルで一元管理できるのでネットワーク管理の運用負担も軽減できますよ。
なるほど。特定の通信を閉域網上のGWからインターネットに逃がして業務通信用の帯域を確保するわけか。これなら1回線のままでも本社・支社間の通信が早く快適になりそうだ。
フムフム。早くて軽くなるんだな。これなら四国の連中も文句は言うまい。良いじゃないか!
相変わらず上からの物言いだが、メリットはほぼ理解したようだ。
現状のエントリーVPN同様に、セキュリティが保てるというだという点も大きいですね。
そうですね。「SD-WAN」と聞くと、どうしても「インターネットを使った通信」というイメージが強く、セキュリティ面に不安を感じて導入に二の足を踏んでしまう方も多いようです。そうした不安を払しょくするため、この新パッケージを開発しました。
おお、番犬つきって訳か! よし買った!
えっ!?
ちょ、ちょっと待ってください。四国支社の件は、いまいろいろと試行錯誤しているところなんです。それに、せっかく来たんですから他の展示ブースを見てからでも遅くないのでは?
それもそうだな。じゃあ行くか。大野くん、またよろしくな。
と、大野さんに軽く手を振りながらスタスタと歩き出す。
・・・この変わり身の早さを「即断即決」と言っていいものかどうか。おかげで背中に変な汗をかいちゃったじゃないか。あれ? 犬って汗をかかないんだっけ??
会場では、昨年に引き続きNTTPCコミュニケーションズ サービスクリエーション本部 第二サービスクリエーション部 担当部長 三澤響氏によるセミナーを開催。「なぜ、SD-WANは『まだ』普及しないのか? その原因と今後の見込みを徹底解説」と題し、NTT産SD-WAN立上げ後の1年間の変遷と今後の展開について解説。MPLS(専用線)を利用している大企業を中心に導入が進んでいること、中堅中小企業への導入が今後の課題であることなど、SD-WANを取り巻く「日本ならでは」の状況が報告されました。
セミナーの終盤、現在「フレッツ」などエントリーVPNをご利用中の顧客に向けた新サービスである「Master'sONE CloudWANセキュアパッケージ」が紹介されると、会場の反応も上々。今後の中堅中小企業への導入への手ごたえを感じさせました。