今日は幕張メッセに来ている。社長の手腕によるものなのか、会社の業績は右肩上がりに伸びているため、情報システム部としては忙しい営業部員たちがリモートワークやコミュニケーションを行えるよう、クラウド型アプリケーション等の導入も考え始めた。そこで情報収集のためIT専門展「Japan IT Week 秋 2017」を訪ねようとしたら、社長もついてきたという次第である。まぁ、最近は社長と2人きりの外出も慣れてきたが。

「Japan IT Week」は春の東京ビッグサイトに始まり、秋には幕張メッセ、年明けには関西で開催される国内最大級のIT専門の展示会。幕張会場では今年も4万人以上の来場を見込んでいる。
その中の「クラウドコンピューティングゾーン」で、賑わっているセミナーを見つけたので受講してみることにした。

秋田社長

なるほどなぁ。なんでもかんでもソフトウェア化へ向かっているのか。実物がなくても良いなんて、なんて便利な世の中だ。

パブリッククラウドサービスについてメモを取りながら熱心に聞いていたところを見ると、クラウドやクラウド型アプリケーションの導入で、会社発展につながる、生産性向上のヒントをつかんだんだろうか。

なんと受講したセミナーは偶然にもNTTPCコミュニケーションズさん主催。そこでブースへと向かってみることにした・・・のだが、うん、なんとなくアノ人がいそうな雰囲気だ・・・ホラ!

大野さん

あ、秋田社長さん、こんにちは~。今日もお元気そうですね~。

秋田社長

いやいや、どうもどうも。お、これがウワサのSD-WANか。どれどれ・・・。

大野さん

これがコントロールパネルです。このように、どんな通信がどれだけ流れているのか、アプリケーションごとにリアルタイムで見ることができますし、制御もできます。また、拠点ごとに設置している「エッジ装置」の設定や構成変更などもオンラインで実行できるんですよ。

秋田社長

なるほど、グラフが跳ね上がっていると沢山流れてて混雑してるということだな。で、このグラフの山を見た「誰か」が何とかすると。ふむ、一目瞭然だ。おい、柴くん、君も遠慮しとらんでなんでも聞きたまえ。

「誰か」ってのは僕のことだろうし、何でも聞けって、大野さんのセリフだよな・・・なんて思いつつも気になっていることがあるのでお言葉に甘えて聞いてしまおう。

柴くん

先ほどセミナーで聞いたのですが、AWSなどのパブリッククラウドサービスを使用する場合にもCloudWANを採用するメリットがあるとか?

大野さん

多くのユーザ企業は、AWSを利用するとき、セキュリティを確保するために各拠点から直接インターネットに接続せず、センタ拠点などセキュリティを確保できる拠点に集約しますよね。ただ、このケースって、センタ拠点内の設計ってすごく大変になります。

柴くん

OSやアプリケーションの脆弱性やファイアーウォールの設定、不正アクセスの防止やウィルス予防などですよね。

大野さん

そうですね。特に重要なデータを扱う場合などでは、VPN接続ではコストがかかりすぎるし、それ以外の方法でトンネリングやカプセル化を実現するには手間がかかるということもあるでしょう。そうした場合、CloudWANならAWSなど接続したいクラウド側に既に仮想のエッジ装置があるので、各拠点で素早く手軽にセキュアにクラウド接続環境を確立することができます。従来のように、セキュリティ確保のためセンタ拠点を経由する必要もないんです。

なるほど。本社並みのセキュリティを保ちつつ支社からAWSに接続できるようになれば便利だろうな。

柴くん

いいですね。実は本社の・・・

秋田社長

さて、そろそろ行くぞ。大事な用事があるんだ。

あ~、もう少し聞きたかったのに。まぁ社長のご命令とあれば仕方がない。

秋田社長

ところで今日のセミナーでひとつだけ分からなかったことがあるんだが。

柴くん

なんでしょう?

秋田社長

SD-WANの「S」や「WAN」はいいとして、「D」はいったい何なんだ?

今になってそこ?? 詳しく言えば「Software Defined Wide Area Network」、日本語では「ソフトウェアで定義された広域ネットワーク」だけど、本当に他の部分は分かっているのかな・・・。熱心にメモを取っていたから「S」はソフトウェアだと分かっていてもおかしくないけど、「WAN」は犬の鳴き声とか思ってないだろうな・・・。

秋田社長

あ、「で」か!いや、「で作った」だな?きっとそうだ、フムフム。
な、そうだろ、柴くん?

・・・やっぱり社長にはかなワン!!